2025.05.09
小児科の壁紙デザインにおけるポイント

—— 子どもたちが安心できる医療空間づくりとは?
病院の待合室や診察室という空間は、子どもたちにとって「少し怖い場所」になりがちです。特に小児科を訪れる子どもたちは、体調不良による不安だけでなく、慣れない空間そのものに緊張を覚えることが少なくありません。こうした環境において、壁紙のデザインが果たす役割は想像以上に大きいものです。
今回は、小児科の壁紙デザインを考える上で重要なポイントを、専門的な研究や現場での実践事例に基づいてご紹介します。
色彩は「心理」と「安心感」に直接作用する
視覚情報は、五感の中でも人間の情報処理の約80%以上を占めると言われています。特に「色彩」は、感情や安心感と密接に関わっており、医療施設の空間づくりにおいて非常に重要な要素です。
実際、病院環境の色彩については、「患者の不安や緊張を和らげ、スタッフのストレスを軽減する」ことが目的であるとされており、なかでも小児科のような成長過程にある子どもたちにとって、色彩は単なる装飾ではなく“環境そのもの”といっても過言ではありません。
小児科外来に求められる壁紙デザインの特徴
小児科外来では、「元気があってさわやかな雰囲気」が理想とされています。カラフルで明るい色調の壁紙は、子どもたちの緊張感をやわらげ、診察までの待ち時間も楽しいものにしてくれます。
具体的には、次のような特徴を持つデザインが好まれます。
- 明るいパステルカラー(ブルー・イエロー・グリーンなど)を基調とする
- 一部に高彩度な色(ビビッドカラー)をアクセントとして配置する
- 動物や乗り物、自然モチーフのイラストなど、親しみやすいモチーフを活用
このようなデザインは、色彩心理学の「明瞭性の原理」や「類似性の原理」に基づいた調和がとれた配色とされており、「若々しい・活発・さわやか」といったポジティブな印象を与えることができます。
病棟エリアには「落ち着き」と「安心感」が求められる
一方で、小児科病棟の壁紙デザインには、外来とは異なる配慮が必要です。病棟は子どもたちにとって生活の場でもあり、日々過ごす空間としての安心感や静けさが求められます。
調査によると、ベージュやブラウン系、柔らかなグリーンなど、中明度・低彩度の色を基調とした配色が多く見られました。これは、外来のような明るさよりも、落ち着きと静穏を感じさせる配色が適しているためです。
- 明るすぎない自然な色合い(ベージュ・木目調など)
- 彩度を抑えた中間トーン
- 小さなアクセントとして柔らかいモチーフ(花・葉・雲など)
このような構成により、「静かで落ち着いた雰囲気」が作り出され、長期入院の子どもたちやそのご家族にも配慮された環境となります。
小児の視線に合わせた壁紙設計
子どもと大人では、目線の高さが異なります。特に小児(約120cm前後)の視野では、大人が意識しない床面や腰壁、ソファなどの低い位置が強く印象に残ります。
そのため、以下のようなポイントが有効です。
- 低い位置の壁面にもデザイン要素を配置する
- 床と壁が連続するような色使いや模様の工夫
- 手すりやソファ付近に目を引くアクセントを設ける
実際の病院でも、動物の足跡を床から壁にかけてデザインする、などの遊び心ある演出が施されています。こうした工夫は、子どもたちにとっての“探検心”や“楽しさ”を刺激し、医療行為に対する恐怖心を軽減する効果が期待されます。
壁紙印刷の技術的なポイント
「とまとの壁紙印刷屋さん」では、こうした医療空間にも対応可能な仕様で壁紙印刷を行っています。
- フルカラー印刷対応:色数制限なし。イラストや写真もくっきり再現
- サイズ制限なし:壁一面でも出力可能。10m以上の大判サイズもお任せ
- UV硬化インクを採用:耐摩耗性・耐光性に優れ、公共施設でも安心
- 裏面糊付き/糊なし選択可:施工環境に応じた選択が可能
長時間滞在する病棟エリアでも、こすれや日光による退色を防ぎ、美しさを長期間保つことができます。
まとめ:色とデザインでつくる「やさしい医療空間」
小児科における壁紙デザインは、子どもたちの治療に直接関わるものではありません。しかし、心理的な緊張を和らげ、前向きな気持ちを引き出す空間づくりという点で、大きな力を持っています。
特に小児科外来は、子どもが医療機関に対して初めて接する場所でもあり、その第一印象が後の通院や治療への姿勢に影響を与えることもあります。
「とまとの壁紙印刷屋さん」では、印刷クオリティだけでなく、公共空間での使いやすさや安全性にも配慮した仕様をご用意しています。小児科、こどもクリニック、歯科、リハビリ施設など、お子さまを対象とする医療施設において、心を和ませる壁紙デザインの導入をぜひご検討ください。